NBK本社食堂増築
食堂内観
パイプ状の空間は森に開いています。曲線を描く特殊な天井は光と影の微妙なグラデーションを描きます。住宅のリビングとして応用したい空間です。
撮影:吉田明弘
・既存の建物とデザインの調和した増築としてほしい。
・施設に隣接した緑を取り込んんだ計画としてほしい。
・2階の既存食堂を増築しキッチン機能を充実させてほしい。
・1階はオフィスにしたい。
既存施設を設計したわたくし達に増築の話をいただきました。既存施設のデザインを評価していただいていましたので、自然な流れでご依頼いただきました。
岐阜を拠点にする企業の社員食堂の増築です。カマボコ屋根が連続する母屋に対して、壁から屋根にかけて緩やかな曲線をえがく特殊な構造の大屋根で覆いました。一方南北方向には特注サッシによる大きな開口を開け、風と光の通り道にしました。隣接した森に向かって抜ける気持ちの良い空間です。構造美と空間だけでミニマムな魅力を引き出すことがテーマとなっています。
これが住宅だったら面白いのにと、住宅への応用など考えております。
この建物によって、既存施設の機能がより充実し、既存建物のデザインt不協和音を奏でることなく、自然な形にしていただきたことを評価しています。
正面外観
短手面は全面ガラスです。細いサッシですが中央が引き戸で開放が可能です。見かけよりかなり大きなサッシですがかなりの大きさがあります。特注サッシは私たちが得意とするところです。
撮影:吉田明弘
外観
スリット状の窓が開いていることで、デザインを引き締めています。内部の単調さを崩す工夫です。
1階はオフィスとなっていますが、上層の構造柱による列柱の奥に外壁があり、宙に浮いた印象をつくると共に、オフィスの日除けとして機能しています。
撮影:吉田明弘
1階オフィスです。2階の食堂に対して少し外壁を引いていることから、直射日光が入りません。コーナーもガラスで処理していることから緑が身近に感じられる空間です。
撮影:吉田明弘
手前のカマボコ天井部が既存食堂。カラスのスクリーンから奥が増築部分です。増築に合わせて既存部分もリニューアルしましたが、元のデザインを踏襲しています。カマボコ天井に対して直交する方向の曲線の壁天井とそこに反射する光が空間に豊かさを与えています。
撮影:吉田明弘
手前が既存建物。奥の出っ張っているガラスの箱が増築部分です。両者は初めからこうであったかのように一体化して見えます。
撮影:吉田明弘